instagram facebook
NEWS

COLUMN

古民家を改修したい方(現地再生)1.屋根

日本の古民家は優れた建築で、メンテナンスさえ怠らなければ、何百年もの耐久性が実績としてあります。しかし、耐震性・温熱環境に不安・不満のある方も多くいらっしゃることでしょう。 意匠性・耐久性・快適性に重点をおいた、西本建築事務所での民家再生手法をご紹介します。

民家は木でできているので、雨で濡らすことは寿命を縮めることに直結します。雨漏りが始まると、梁などの小屋組みを腐らせる危険性が高まります。梁は他の部材に比べて、断面が大きく長いものが多いので、その取替えには大きなコストがかかります。ですので梁を腐らせる前に雨漏りがあれば、まず屋根を改修します。
屋根の形状・素材は、その民家の建つ地域の風土や気象状況に適したものが使われていることが多いので、基本的には形状・素材を変えないで再生することをお勧めします。
瓦は土葺で施工されていることが多いのですが、耐震性能の向上を目的とした軽量化のため、引掛け桟瓦葺とします。耐久性の高い素材ではありますが、凍害に弱いので寒冷地での使用には注意が必要です。天井裏に断熱材を追加する場合は、葺き替え工事のときに落とし込むことで、既存の天井板を取り外さずに、施工することができます。
茅葺屋根は断熱性能も高く、景観上も日本を代表する美しい素材なのですが、近年では維持メンテナンスがコスト面で難しくなってきました。一般的な改修方法としては、急こう配な形状にも対応できる、金属素材での葺き替えです。茅の上からカバーする方法もありますが、施工精度の向上や軽量化のためには、茅を撤去して金属屋根に葺き替えるほうが良いでしょう。ガルバニウム鋼板が多く採用されますが、10年程度の周期で塗装をする必要があります。銅板やチタン合金であれば、初期費用は増えますが、塗装を定期的に行う必要は無くなります。また、小屋組みを組み直して勾配を緩くすれば、茅葺から瓦葺に変更することも可能です。この場合は、長い年月地域の景観になってきたものを変更することになるので、その形状には十分配慮することが求められます。

Photo
瓦の葺き替え
Photo
小屋組みの架け替え